転職で年収は本当に上がるのか|国の統計と、僕の実額4回ぶんで検証しました
「転職すれば年収が上がる」
転職サイトの広告では、そう書いてあります。
こんにちは。薬局薬剤師のとんぷくです。薬剤師歴19年、転職は4回しました。
先に結論を書きます。国の調査では、転職で賃金が増えた人と減った人はほぼ同じ割合です。むしろ減った人のほうが、わずかに多い。
理由は、転職には「上げるための転職」と「逃げるための転職」の両方が含まれているからです。統計はその両方をまとめて数えます。広告は前者しか見せません。
この記事では、厚生労働省の調査の数字と、僕自身の4回ぶんの実額を並べます。そのうえで、上がる転職と下がる転職の分かれ目がどこにあるのかを書きます。
転職エージェントが運営するメディアは、この記事を書けません。書くと登録者が減るからです。だから僕が書きます。
国の調査だと、増えた人と減った人はほぼ同数

まず数字から見てください。
転職して賃金はどう変わったか
厚生労働省「令和2年転職者実態調査」転職者計
厚生労働省の令和2年転職者実態調査(この調査としては最新のもの)です。
増えた人が約39%、減った人が約40%。ほぼ五分五分で、しかも減ったほうが少しだけ多い。
これが「転職の平均像」です。広告のイメージとはだいぶ違うと思います。
ただし、増えた人はしっかり増えている
もうひとつ大事な数字があります。増えた人の内訳です。
賃金が増えた人の、増え方
同調査より、増加した人を100として再計算
増えた人のうち、半数以上が1〜3割の増加です。年収400万円なら40〜120万円。決して小さくありません。
そして約19%は3割以上増やしています。
つまりこういうことです。転職は「平均すると増えない」けれど、「増える人は大きく増える」。
だから問題は「転職すべきか」ではなく、「自分は増える側に入れるのか」です。
僕の場合|19年で230万円

ここから実額です。僕の4回ぶんの数字を出します。
とんぷくの年収の推移
都市部
地方へ転職
管理薬剤師に
19年で230万円。年に直すと約12万円ずつ。ただし上がったのは、動いた年だけです。
このグラフでいちばん見てほしいのは、段になっていることです。
なだらかな坂ではありません。25歳で転職したときと、管理薬剤師になったときに、はっきり段差があります。何もしなかった年は、ほとんど動いていません。
昇給だけに頼ると、年6万円上がっても10年で60万円です。転職1回で動く額が、10年ぶんに相当することがあります。
上がる転職と、下がる転職の分かれ目

僕の4回と、周りで見てきた例を合わせて、分かれ目はここだと思っています。
分かれ目1|「逃げる転職」か「選ぶ転職」か
いま辞めたい一心で動くと、条件は後回しになります。早く決まる求人は、たいてい理由があって空いています。
減った40%のなかには、これがかなり含まれているはずです。
辞めたい気持ちがピークのときほど、いったん止まったほうがいい。これは僕自身の1回目の反省です。
分かれ目2|今の年収がいくらか
これは残酷ですが、事実です。
年収400万円台なら、50万円上げるのは現実的です。でも600万円に近づくと、同じ50万円が急に難しくなります。
僕は4回目で「こんなに出せないよ」と複数の会社に言われました。地方の調剤薬局が管理薬剤師に出せる額には天井があります。
だから動くなら早いほうがいい。これは年収が低いうちに動けという意味ではなく、上がりきる前のほうが選択肢が多い、という意味です。
分かれ目3|給与交渉を自分でやろうとしていないか
僕が実感しているのは、年収の交渉を自分でやるのはかなり難しいということです。
面接の場で「あと50万ください」と言える人は、そういません。言えたとしても、相場を知らないまま言えば的外れになります。
僕が4回目で年収を動かせたのは、エージェントが間に入ったからです。彼らはその会社が過去にいくら出したかを知っています。本人が言えない額を、第三者なら言える。これが交渉を挟む最大の意味だと思っています。
まとめ|「上がるか」ではなく「上がる側に入れるか」

もう一度、数字を置きます。
- 国の調査では、転職で賃金が増えた人は約39%、減った人は約40%
- ただし増えた人の半数以上は1〜3割増えている
- 僕自身は19年で230万円増えたが、動いた年にしか増えていない
転職は、すれば上がるものではありません。準備した人だけが上がる側に入ります。
準備というのは具体的には、辞めたい気持ちが落ち着いているうちに、相場と求人の中身を知っておくことです。
情報を集めるだけなら、いま動く必要はありません。登録して話を聞くだけでも、自分の市場価値はだいたいわかります。それを知ったうえで「やっぱり今の職場でいい」と決めるのも、立派な結論です。
僕も4回のうち、途中でやめた転職活動が何度かあります。それも含めて、無駄ではありませんでした。
各社の特徴は別の記事に正直にまとめています。良かったところも、いまいちだったところも書いています。
それでは、また。
▼ 4回ぶんの全体像はこちらにまとめています
薬剤師が4回転職した全記録|年収・辞めた理由・失敗を全部出します
▼ 各社の特徴を正直に比べた記事はこちら
【2026年最新】薬剤師転職エージェントおすすめ6選
