転職の記事は「決まるまで」で終わります。でも本番は入社してからです。

こんにちは。薬局薬剤師のとんぷくです。薬剤師歴19年、転職は4回。管理薬剤師として、新しく入ってきた人を迎える側にも何度も立ってきました。

最初の3ヶ月でやるべきなのは、仕事を覚えることではありません。「この人は大丈夫だ」と思ってもらうことです。

理由は、薬局が狭い職場だからです。数人しかいない空間で、最初の印象がその後何年も効きます。逆に言えば、3ヶ月で信頼を作れれば、そのあとがとても楽になります。

1ヶ月目|覚えるより、聞き方を作る

最初の1ヶ月は、できるようになる時期ではありません。聞ける関係をつくる時期です。

「わからない」を早く言えるようにする

新しい店では、19年やっている僕でも最初は足手まといです。これは仕方がありません。

問題は、わからないことをいつ言うかです。

新人がいちばんやりがちなのは、遠慮して聞かず、あとで大きな間違いになることです。迎える側からすると、その日のうちに聞いてくれるほうが100倍ありがたい。

僕が意識しているのは、聞くときに自分の仮説を添えることです。

この患者さん、前回と用法が変わっているので疑義照会だと思うのですが、こちらの薬局ではどう扱っていますか

「わかりません」ではなく「◯◯だと思うのですが」と言う。これだけで、迎える側の負担がまるで違います。教える側は、丸投げされるのがいちばんしんどい。

メモは「場所」と「人」を優先する

最初の1ヶ月で覚えるべきは、薬の知識ではありません。

  • 在庫がどこにあるか
  • 誰が何を担当しているか
  • 医師ごとの処方のクセ
  • 疑義照会でどこまで自分で判断していいか

最後のひとつが特に大事です。薬局によって、薬剤師の裁量の範囲がまったく違います。ここを間違えると、正しいことをしていても怒られます。

前の職場のやり方を、まだ出さない

これはやってしまいがちです。

「前の薬局ではこうしていました」。1ヶ月目にこれを言うと、十中八九マイナスに取られます。

内容が正しくても関係ありません。まだ何も貢献していない人が、やり方を否定していると受け取られるからです。

出すのは3ヶ月目以降でいいです。そのころには「この人は仕事ができる」という前提ができているので、同じ言葉が提案として届きます。

2ヶ月目|貢献できる場所をひとつ見つける

2ヶ月目に入ると、店の全体像が見えてきます。ここでやることは「自分がいると助かる部分」をひとつ作ることです。

全部で活躍する必要はありません。ひとつでいいです。

僕がやってきたのは、たとえばこういうことです。

  • 誰も手をつけていない期限管理を引き受ける
  • 在宅の書類仕事を巻き取る
  • 新人が困っている場面で、最初に気づいて声をかける

地味なほうがいいです。派手な提案より、みんなが面倒だと思っている仕事を黙って引き受けるほうが、圧倒的に効きます。

迎える側として見ていると、「この人がいると仕事が減る」と思われた瞬間に立場が決まります。

3ヶ月目|条件のズレは、ここまでに確認する

ここは前向きな話ではありませんが、大事なところです。

聞いていた条件と違う点があるなら、3ヶ月目までに確認してください。

理由は、時間が経つほど言い出しにくくなるからです。入社直後なら「求人票ではこうでしたが」と聞けますが、半年経つと「今さら」と言われ、1年経つと自分でも言えなくなります。

エージェント経由で入ったなら、まず担当者に連絡してください。紹介した責任がある立場なので、これは遠慮する場面ではありません。

迎える側から見て、うまく入る人の共通点

管理薬剤師として何人も迎えてきて、立ち上がりが早い人には共通点があります。3つ挙げます。

1 患者さんの名前を早く覚える。薬の名前より先です。地域の薬局では、これがそのまま信頼になります
2 事務スタッフに対する態度が変わらない。薬剤師にだけ丁寧な人は、必ず見抜かれています
3 間違えたときに、すぐ言う。隠す人がいちばん怖い。すぐ言う人は、それだけで信用されます

3つとも、薬剤師としての能力とは関係ありません。立ち上がりで見られているのは、実は能力ではないんです。

つらくなったときのために

最後にひとつ。

最初の3ヶ月は、誰でもしんどいです。19年やっている僕でもそうです。「仕事ができない自分」を「合わない職場」と取り違えないでください。

僕は新卒のとき、まさにこれを間違えました。毎日叱責されて、自分には無理だと思って1年足らずで辞めた。いま振り返ると、あれは職場の問題であると同時に、僕がまだ何もできなかっただけでもありました。

3ヶ月です。3ヶ月やってまだ同じつらさなら、それは慣れの問題ではありません。そのときは別の判断が要ります。

その判断が必要になったときのために、どこに相談できるかだけ置いておきます。→ 【2026年最新】薬剤師転職エージェントおすすめ5選

でも、3ヶ月経たないうちに結論を出さないでほしい。それだけは、4回転職した人間としてお願いしたいところです。

それでは、また。