薬剤師が年収を上げる方法3つ|19年で420万→650万、動いたのは転職と役職の年だけでした
年収を上げたい。
でも、毎年の昇給明細を見るたびに、これを何年続ければいいのかと思う。
こんにちは。薬局薬剤師のとんぷくです。薬剤師歴19年、転職は4回、管理薬剤師は通算10年やってきました。
薬剤師の年収が上がる方法は3つです。そのうち、金額がはっきり動くのは転職だけでした。
理由は、昇給で増えるのが年に6万円程度だからです。
50万円上げようとすると、8年かかります。
僕の年収は、初任給420万円から今の650万円まで上がりました。
19年で230万円です。
そして、その大部分は転職した年と、役職が付いた年に動いています。
何もしなかった年は、ほとんど変わりませんでした。

待っていると、年に6万円しか増えません

薬局も病院も、定期昇給はあります。
ただ、僕が見てきた範囲では月3,000円から5,000円です。
月5,000円で計算します。
- 5,000円 × 12ヶ月 = 年6万円
- 50万円上げるには 約8年
- 100万円上げるには 約17年
これが、何もしなかった場合に起きることです。
昇給が悪いという話ではありません。
そういう仕組みだ、ということです。
だから、上げたいなら別の方法を取るしかありません。
僕の19年|どこで上がったか

| 時期 | 職場 | 年収 |
|---|---|---|
| 新卒 | 都市部・大手チェーンの門前薬局 | 420万円 |
| 25歳 | 地方の薬局へ転職 | 500万円 |
| 30歳ごろ | 同じ薬局で管理薬剤師に | 580万円 |
| 現在 | 地域密着の調剤薬局 | 650万円 |
見てのとおりです。
上がったのは、転職した年と、役職が付いた年だけでした。
間の年は、昇給ぶんしか動いていません。
4回ぶんの詳しい記録は薬剤師が4回転職した全記録にあります。
方法1|転職する

いちばん大きく上がります。
僕の場合、25歳の転職で80万円、直近の転職で70万円でした。
ここで、一度分けて考えてみてください。
転職はリスクを伴います。でも、転職活動そのものにリスクはありません。
登録して、話を聞いて、求人を見る。
ここまでで失うものは何もありません。
ただ、転職すれば上がる、というものではありません。
国の調査を見てください。
転職して賃金はどう変わったか
厚生労働省「令和2年転職者実態調査」転職者計
増えた人より、減った人のほうがわずかに多い。転職は「すれば上がる」ものではありません。
増えた人が約39%、変わらない人が約20%、減った人が約40%。
増えた人より、減った人のほうが少し多いという結果です。
転職サイトの広告は「転職で年収アップ」としか言いません。
実際は、ほぼ五分五分です。
そのうえで、増えた人がどのくらい増えたのかを見ます。
賃金が増えた人の、増え方の内訳
厚生労働省「令和2年転職者実態調査」より、増加した人を100として再計算
いちばん多いのは1割から3割の増加です。
年収400万円の人なら、40万円から120万円。
約19%は3割以上増やしています。
分かれ目がどこにあるかは転職で年収は本当に上がるのかに、統計と僕の実額4回ぶんを並べて書きました。
そして、ここが抜けると上がりません。
年収交渉は、自分でやらないほうが通ります。
僕が直近の転職で70万円上げられたのは、担当者が希望額を薬局に伝えてくれたからです。
自分から言うと、タイミングを計るうえに角も立ちます。
進め方は薬剤師の年収交渉はいつ・誰が・どう言うのかにまとめました。
いまの相場を知るところから
方法2|役職に就く

管理薬剤師になると、基本給とは別に役職手当が付きます。
相場は月3万円から5万円です。
年に直すと36万円から60万円。
賞与も年収を大きく左右します。
僕は4.5ヶ月分あった会社から、年俸制でゼロの会社へ移りました(薬剤師のボーナスは何ヶ月分か)。
僕の手当は月5万円、年間60万円でした。
昇給10年ぶんが、1年で乗る計算になります。
通算で10年以上やっていて、今の職場でも管理薬剤師です。
ただし、金額に見合った量の仕事が来ます。
在庫と発注、シフト、スタッフの相談、クレームの最終窓口、行政への届出、加算の管理。
調剤をしながら、これを抱えます。
それでも僕が10年以上続けたのは、手当以外のものが付いてくるからです。
次の職場の提示額そのものが変わります。
実際のところは管理薬剤師を通算10年やって、面接する側にも回ってわかったことに、その先に何があるかは管理薬剤師の次は何があるのかに書きました。
方法3|資格を取る

正直に書きます。
3つの中では、上がり幅がいちばん小さいです。
研修認定薬剤師、認定実務実習指導薬剤師、がん専門薬剤師。
取れば手当が付く会社もありますが、月に数千円から1万円程度のことが多いです。
それでも意味があるのは、交渉の材料になるからです。
資格そのものではなく、その資格で会社の収益に何を足したかを言えると話が変わります。
- 指導薬剤師を取って、実習生の受け入れができるようになった
- 研修認定を維持して、地域支援体制加算の要件に関われた
面接でも同じです。
「持っています」ではなく「これで何ができるようになったか」。
書き方は薬剤師の職務経歴書にまとめました。
働く場所を変えると、上限そのものが変わります

ここまでは、調剤薬局にいる前提の話です。
もうひとつ、住む場所を変えるという手があります。
僕は都市部から地方に移って年収が80万円上がり、住居費は月5万円以上下がりました(地方の薬剤師は高給なのか)。
業種を変えると、上限の位置が変わります。
製薬メーカーや企業は、調剤薬局より上が高い世界です。
ただし求人の数が桁違いに少なく、未経験で入れる年齢の幅も狭くなります。
働く量を増やす道もあります。
派遣や単発は時給が高く、正社員の時給換算より上になることがあります。
管理薬剤師をやめたいが年収は維持したい、という人には現実的な選択肢です。
業種ごとの上限は薬剤師で年収1000万は可能かに、派遣の働き方はファル・メイトは「正社員がしんどい」の答えになるかに書いています。
上げるなら、早いほうがいい

年収は、上がったあとの期間が長いほど差が大きくなります。
30歳で50万円上げたとします。
定年の60歳まで30年。
- 50万円 × 30年 = 1,500万円
45歳で同じ50万円を上げた場合は、15年で750万円です。
同じ50万円でも、受け取る総額は倍違います。
参考までに、国税庁の民間給与実態統計調査(令和6年分)では、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円でした(男性587万円、女性333万円、正社員545万円)。
薬剤師はこれより上に来ます。
ただ、薬学部6年ぶんの学費と、その6年間を働かなかったぶんを差し引くと、差はぐっと縮みます。
薬剤師だから一生安泰、という話ではありません。
逆に、いつ下がるのかを知っておくことも同じくらい大事です。
役職定年と再雇用の話は60歳まで薬剤師を続けるとしたらに書きました。
「40代になると年収が下がる」と言われたら

40代の転職で下がる人がいるのは本当です。
ただ、原因は年齢ではありませんでした。
僕が転職活動をしたとき、壁になったのは今の年収のほうです。
580万円の時点で転職活動をして、複数の会社から「こんなに出せないよ」と言われています。
年収400万円台の人が50万円上げるのは、わりと現実的です。
600万円に近づくと、同じ50万円がとたんに難しくなります。
つまり、上がってから動こうとすると選択肢のほうが先に減ります。
動くなら早いほうがいい、というのはこの意味です。
40代で何が起きるかは40代薬剤師の転職は厳しいのかにまとめました。
まとめ

薬剤師の年収を上げる方法について、押さえておくことは次の5点です。
- 待っていると年6万円。50万円上げるのに8年かかる
- 金額がはっきり上がるのは転職。僕は80万円と70万円上がった
- ただし国の調査では、下がった人が約40%。すれば上がるものではない
- 役職手当は月3〜5万円。昇給10年ぶんが1年で乗る
- 資格の上がり幅は小さい。ただし交渉の材料にはなる
僕の19年は、420万円から650万円でした。
年に直すと12万円ずつです。
派手な話ではありません。
それでも、動いた年にしか動いていないのは確かです。
どの会社を使うかは【2026年最新】薬剤師転職エージェントおすすめ5選にまとめました。
まずは2〜3社を比べてみる
それでは、また。

