薬剤師なら、いつかは1000万円もらえるのだろうか。
免許を取ったころ、僕はそう思っていました。

こんにちは。薬局薬剤師のとんぷくです。薬剤師歴19年、転職は4回、管理薬剤師は通算10年やってきました。
いまの年収は650万円です。

調剤薬局に勤めたまま年収1000万に届くことは、ほぼありません。

理由は、地方の調剤薬局が薬剤師に出せる額に上限があるからです。
僕は管理薬剤師として580万円のときに転職活動をして、複数の会社から「こんなに出せないよ」と言われました。

それでも1000万に届く人はいます。
ルートは限られていて、僕が見てきた範囲では4つでした。
どれも「薬局で真面目に働き続ける」の延長線上にはありません。

まず、1000万がどのくらい遠いかを確かめる

右肩上がりに伸びる2本の折れ線グラフ

国税庁の民間給与実態統計調査(令和6年分)で、1年を通じて勤務した給与所得者の分布を見ます。

年収人数割合
給与所得者 全体5,136万人100%
うち1,000万円超320万人6.2%
男性のうち1,000万円超286万人9.8%
女性のうち1,000万円超34万人1.6%

働いている人のうち、年収1000万円を超えているのは16人に1人です。
同じ調査の平均給与は478万円でした。

薬剤師は平均より上の職業です。
ただ、薬剤師だから自動的に1000万に近い、ということはありません。

僕の19年は、420万円から650万円でした

給料袋と給与明細のイラスト

僕の19年は、こう動きました。

時期職場年収
新卒都市部・大手チェーンの門前薬局420万円
25歳親戚が経営する薬局(地方)500万円
30歳ごろ同じ薬局で管理薬剤師に580万円
現在地域密着の調剤薬局650万円

19年で230万円です。
年に直すと、12万円ずつ増えた計算になります。

そして、この230万円の大部分は「転職したとき」と「管理薬剤師になったとき」に動いています。
何もしなかった年は、ほとんど変わりませんでした。

4回ぶんの詳しい記録は薬剤師が4回転職した全記録にあります。

ルート1|管理薬剤師になり、その上を目指す

腕を組んで並ぶ人たちのイラスト

いちばん現実的に見えて、いちばん天井が低いルートです。

僕の管理薬剤師手当は月5万円でした。
年に直すと60万円です。

これは大きい額です。
ただ、580万円から1000万円までは420万円あります。
手当をもう6つ足すようなもので、1店舗の管理薬剤師では届きません。

その先に進むなら、エリアマネージャーや本部です。
複数店舗を見る立場になれば、年収は上がります。
ただし調剤に入る時間はほぼ無くなり、薬剤師の仕事ではなくなります。

管理薬剤師の実際は管理薬剤師を通算10年やって、面接する側にも回ってわかったことに、その先の道は管理薬剤師の次は何があるのかに書きました。

ルート2|企業・製薬メーカーに移る

ビルのイラスト

僕はこのルートを通っていません。
なので、公開されている情報と、面接や取引で会ってきた人から聞いた範囲で書きます。

製薬メーカーやCROは、調剤薬局より給与の上限が高い世界です。
管理職クラスまで行けば1000万は珍しくない、という話も聞きます。

ただ、現実的な壁が2つあります。

  • 求人の数が、調剤薬局とは桁違いに少ない
  • 未経験で入れる年齢の幅が狭い。40代からの未経験採用はかなり厳しくなります

40代の転職で何が壁になるかは40代薬剤師の転職は厳しいのかに書きました。

このルートを本気で考えるなら、20代から30代前半のうちに動くしかないと思っています。

ルート3|働く量を増やす(ダブルワーク・派遣)

カレンダーのイラスト

正社員の給与に、派遣や単発の仕事を足して届かせる形です。

派遣の時給は、正社員の時給換算より高いことがあります。
週末や休日に単発を入れれば、その分は上乗せになります。

これも僕は経験していません。
ただ、管理薬剤師として人を見てきた立場から、ひとつだけ言えることがあります。

体力が続く期間には限りがあります。
20代なら回りますが、40代で同じことをすると、本業のほうが先に崩れます。
副業を禁止している会社も多いので、就業規則の確認も要ります。

派遣や単発の働き方はファル・メイトは「正社員がしんどい」の答えになるかにまとめました。

ルート4|独立して薬局を持つ

分かれ道の前に立つ人のイラスト

金額でいえば、いちばん上まで行けるのはこのルートです。
経営者になれば、収入に上限はありません。

僕自身、いずれ開局したいと思っています。
2018年に転職したときも、開局したい地域で経営を学びたい、というのが理由のひとつでした。

ただ、ここは薬剤師としての腕とは別の能力が要ります。

  • 処方箋がどこから来るかで、ほぼ勝負が決まる
  • 資金と物件と、医療機関との関係
  • 人を雇い、給与を払い続ける責任

薬局の形による違いは門前・面・在宅特化・敷地内に書きました。
開局は「年収を上げる手段」というより、職業を変えることに近いと思っています。

副業については、まだ書けることがありません

吹き出しの中で考えている人のイラスト

薬剤師以外の収入源は、作ろうとしている最中です。
ただ、それで生活が変わるほどの金額にはなっていません。

届いていない人間が手順を語っても、読む人の役には立たないと思います。
実際に形になったら、そのときに数字と一緒に書きます。

現実的な一歩は、やはり転職でした

白衣の薬剤師が説明しているイラスト

1000万に届く4つのルートは、どれも今日明日の話ではありません。
そのうえで、実際に年収を動かせたのは転職と年収交渉でした。

直近の転職では、年収が580万円から650万円になりました。
70万円です。

やったことは単純で、希望額を担当者から薬局に伝えてもらっただけです。
自分から言うとなると、タイミングを伺ううえに角も立ちます。
担当者は仕事として、話の流れの中で聞いてくれました。

この経緯はファルマスタッフの評判・口コミは本当かに、交渉の進め方は薬剤師の年収交渉はいつ・誰が・どう言うのかに書いています。

70万円は1000万には届きません。
でも、20年で1400万円の差になります。
1000万を目指すより、こちらのほうがずっと現実的です。

いまの年収の相場を知るところから

まとめ

ゴールの旗を指し示す男性のイラスト

薬剤師の年収1000万について、押さえておくことは次の5点です。

  • 年収1000万超は給与所得者の6.2%。16人に1人です(国税庁・令和6年分)
  • 調剤薬局に勤めたままでは、ほぼ届きません。管理薬剤師手当は月5万円でした
  • 届くルートはエリアマネージャー・本部/企業/働く量を増やす/独立の4つ
  • 企業を狙うなら20代から30代前半。40代からの未経験採用は狭くなります
  • いちばん現実的なのは転職と年収交渉。僕はこれで70万円動きました

1000万円という数字にこだわらなくてもいいと思っています。
いま自分がいくらもらえる相場なのかを知らないまま働き続けるほうが、よほど損です。

転職で年収がどう動くかは転職で年収は本当に上がるのかに、国の統計と実額を並べました。

まずは2〜3社を比べてみる

それでは、また。