薬剤師としてのキャリアを築くためには、最初の一歩として、印象的な履歴書を作成することが不可欠です。
記事の筆者は、薬剤師の転職を4回経験しているほっしーです。
この記事では、薬剤師としての履歴書の作成に必要なポイントを詳細に解説します。
薬剤師の資格やスキルは非常に特殊で、一般的な履歴書とは異なる点も多いです。
そのため、専門職としての自分の強みや経験を効果的にアピールするための方法を知ることは、求職活動において大きなアドバンテージとなります。
この記事は薬剤師の資格情報やスキルの書き方、そして履歴書の基本構造や自己PRのポイントなど、初めての方から経験者までが知っておくべき情報を網羅しています。
例えば、病院や調剤薬局、製薬会社など、業種によって求められる経験やスキルは異なるでしょう。
その違いを明確に理解し、自分の経験や資格を適切にアピールする方法を身につけることで、志望する職場での採用の可能性を高めることができます。
履歴書は自分の経歴やスキルを伝えるだけでなく、自分自身をブランディングするためのツールです。
この記事を参考に、薬剤師としての魅力を最大限に引き出す履歴書を作成し、理想の職場でのキャリアを築いてください。
もし転職について迷っている方はこちらの記事がまず参考になるかもしれません↓
1. 薬剤師の履歴書が他の職種と異なるポイント
薬剤師としての履歴書は他の職種とは異なるポイントがあります。
なぜなら、薬剤師は医薬品に関する専門知識や技能が求められる職種で、それをしっかりと示す内容が必要だからです。
たとえば、一般的な履歴書では簡潔に資格名を書くことが多い中、薬剤師の場合は、具体的な研修内容や得意とする領域を詳細に書くことが推奨されます。
この記事では、そのような特徴を持つ薬剤師の履歴書の作成方法を学ぶことができます。
2. 薬剤師の資格・スキルの概要
日本で薬剤師として働くには国家資格である「薬剤師免許」が必要です。
その理由として、薬剤師は医療の一環として、患者さんや他の医療職と連携して治療を進める「薬のスペシャリスト」である必要があるからです。
実際、薬学部を卒業後、国家試験に合格することで初めてこの免許を取得できます。
さらに、薬の知識だけでなく、コミュニケーション能力や医師や看護師との連携スキルも必要とされています。
2.1. 基本的な資格情報
薬剤師は、病院や薬局などで医薬品の適切な使用をサポートする薬のプロフェッショナルです。
そのため、薬剤師として働くためには、国家資格としての「薬剤師免許」が必要となります。
薬剤師免許の取得方法
薬剤師免許を取得するためには、薬学部の6年制の大学を卒業し、国家試験に合格する必要があります。
具体的には、大学入試で薬学部に入学し、6年間のカリキュラムを修了します。
その後、国家試験に合格することで初めて薬剤師としての資格を手に入れることができます。
薬剤師免許の更新は必要?
薬剤師の免許は一度取得すれば終身有効ですが、専門的な知識や技術の更新のため、定期的な研修や学会参加が推奨されています。
特に、新しい医薬品の登場や治療法の変化に対応するため、常に最新の知識を持ち続けることが求められます。
2.2. 薬剤師としてのスキル
薬剤師としての専門的な知識はもちろんのこと、患者さんや他の医療スタッフとのコミュニケーションを円滑に進めるためのスキルも必要とされます。
必要な基本的なスキルや知識
- 医薬品知識: 医薬品の成分、効果、副作用などの基本的な知識。
- 疑義照会スキル: 患者さんや医師からの質問に応じて、正確かつ迅速に答える能力。
- コミュニケーションスキル: 患者さんの不安や疑問を受け止め、明確に伝える能力。
- チームワーク: 病院や薬局など、他のスタッフと協力して業務を進める能力。
これらのスキルや知識は、大学や実習期間中に基礎を学ぶとともに、実際の現場での経験を通じて身につけていくものです。
3. 履歴書の基本構造と記載方法
薬剤師としての履歴書には特有の記載ポイントがあります。
その背景には、医療業界で求められる専門性や独特の業界文化が影響しています。
書き方によって、採用時に大きなアドバンテージとなることもあります。
このセクションでは、そのような薬剤師特有の履歴書の記載ポイントを具体的に学んでいきます。
3.1. 標準的なフォーマット
薬剤師の履歴書は、標準的なフォーマットに沿って記入していきます。
コンビニやスーパーでもかんたんに手に入りますし、Amazonなどでも売っています。
おすすめは「履歴書と職務経歴書」がセットになっているものです。
このように販売されているものもありますし、ネットでテンプレートをダウンロードすることもできます。
「履歴書 テンプレート」で検索するとたくさん出てきますので、よかったら参考にしてみてください。
3.2. 必須項目の詳細記載
履歴書において必須とされる項目は「基本情報」「学歴」「資格」「職歴」です。
特に薬剤師としての資格の取得年や、職歴における実績や業績を具体的に記載することが重要です。
例えば「○○病院の薬剤部でシステム部門を担当し、レセコンの新規構築に貢献しました」といった具体的な業績を記載することで、その職場での貢献度をアピールすることができます。
4. 自己PRのポイント
薬剤師としての自己PRは、ただ自分の強みを述べるだけではなく、それがどのように患者の治療や医療チームへの貢献となるのかを明示することが重要です。
その理由は、医療現場ではチーム医療が基本となっており、個々の専門性がどうチームの中で活かされるかが求められるからです。
ここでは、薬剤師としての自己PRポイントやコツをご紹介します。
4.1. 自己PRの目的とアピールポイント
自己PRの目的は、自らの強みや特技を明示的に伝えて、どういう点で有益な人材かを相手に知ってもらうことです。
アピールポイントとしては「薬剤師としての基本的なスキルを持ちつつ、時代に即した考えを持っているか」です。
例えば「こういった学会や勉強会に参加したことがある」とか「患者さんのアフターフォロー用のテンプレートを私が作成し、それを社内で活用している」などです。
4.2. 実例をもとにした書き方のコツ
さらに、その中でもちょっとした書き方のコツがあります。
それは「名称」や「数字」を実績としてしっかり記載することです。
例えば、何科の門前薬局に何年勤務していたとか、かかりつけを何件取っていたとか、居宅療養の患者さんを何名担当していたか?などで具体的な経験やスキルを伝えることができます。
名称や数字をしっかりと明記することで、より相手に伝わりやすくなります。
5. 避けるべき記載ミスとよくある質問
自己PRはバッチリできたけど履歴書のうっかりミスがあった、なんて避けたいですよね。。
ここでは記載ミスについてと、履歴書についてよくある質問をご紹介します。
5.1.履歴書で避けるべき記載ミス
履歴書には、薬剤師としての専門性を示すための情報が必要ですが、それと同時に基本的なミスを避けることも大切です。
なぜなら、細かいミスがあると、それだけで採用のチャンスを逃してしまう恐れがあるからです。
薬剤師はミスには敏感なのでなおさらです。
例えば、資格の取得年月の記載ミスや、研修内容の記載忘れは、採用担当者に疑問を持たれるポイントとなりえます。
記載ミスや漏れが多いと「そもそも仕事ができないのでは?」と思われてしまいますのでご注意ください。
5.2.履歴書についてよくある質問
ここで、履歴書についてよくある質問とその回答をご紹介します。
薬剤師に限らず一般的にも通用する内容も多いので、気を付けたいところですね。
-
新卒の薬剤師は、履歴書にどのような経験を記載すれば良いですか?
-
新卒の方は、学生時代に参加した実習や研究、セミナーやワークショップでの学びや成果を記載することで、自身の専門性や学びへの意欲をアピールできます。
-
職場の転職回数が多い場合、どのように履歴書に記載すれば良いですか?
-
転職回数が多い場合、それぞれの職場での経験や学び、転職の理由を明確に記載することが重要です。転職の都度、新しい環境での学びや成果がある場合、それをポジティブに伝えることで、多様な経験を持つ強みとしてアピールできます。
-
履歴書の「趣味・特技」欄には、どのような内容を記載すると良いですか?
-
趣味や特技は、あなたの人間性や多面性を伝える場所です。
熱中していることであればなんでも正直に書いてもらった方が良いと思います。
しかし「これは避けた方が良い」ことがあるので以下に挙げます。
・ギャンブル系(競馬、パチンコ、スロットなど)
・政治、宗教色の強いもの
これらはお金の使い方に疑問を抱いたり、採用担当者により受け取り方が異なりますので、記載しないほうが良いでしょう。
-
履歴書に写真を添付する際の注意点はありますか?
-
履歴書の写真は、清潔感があり、真面目で誠実な印象を与えるものを選ぶことが重要です。過度な化粧やアクセサリーは避け、スーツなど正装での撮影をおすすめします。また、最近のものを使用し、背景は無地の白や淡い色が好まれます。
参考にしていただけると嬉しいです。
6. 応募先に合わせたカスタマイズの仕方
薬剤師としての職場は多岐にわたり、それぞれが異なる特色や求めるスキルがあります。
そのため、応募する先によって履歴書の内容をカスタマイズすることが重要です。
例えば、調剤薬局での職を求める場合、患者とのコミュニケーション能力のアピールが重要となる一方、製薬会社での研究職を目指す場合は、専門的な研究結果や成果を具体的に記載することが期待されます。
6.1. 業種ごとの履歴書の違い
薬剤師としての職場は多岐にわたります。
病院ではチーム医療の一環としての役割が強調され、調剤薬局では高齢者の多い地域性を反映したサービスが求められることが多いです。
一方、ドラッグストアや製薬会社では、商品知識や市場の動向に対する理解が重要とされます。
このように、応募する業種によって強調すべきポイントは変わってきます。
6.2. 業種ごとの履歴書の書き方
病院を例に取ると、患者の治療に対する深い知識や経験をアピールすることが重要となります。
調剤薬局では、地域の患者層や特有の疾患に対する対応経験を強調すると良いでしょう。
ドラッグストアでは、多岐にわたる商品知識と顧客サービスの経験、製薬会社では研究開発や市場分析に関する経験を具体的に記載することで、それぞれの業種に合った履歴書を作成することができます。
7. 面接対策ヒント
履歴書が通過した後の面接も、薬剤師としての採用には非常に重要なステップです。
その際、面接官が重視するのは専門知識だけでなく、コミュニケーション能力やチームでの協力性も大きなポイントとなります。
実際に、面接時に「過去の経験から最も印象に残っている患者とのエピソードは?」といった質問に、具体的な事例をもとに答えることで、その場でのコミュニケーション能力をアピールすることができます。
7.1. 薬剤師としての面接の特徴
薬剤師の面接は、他の職種と比べても専門性が求められることが特徴的です。
調剤報酬改定の時代背景から今の薬剤師に何が求められているか、などを普段からなんとなく理解しておくと答えやすいですし、企業に対して非常に好印象です。
前職の毎月の処方箋枚数、調剤報酬額、ジェネリック率などは頭に入れておき、相手先の数字も質問できれば尚良いです。
7.2. よく聞かれる質問とその回答例
面接官の質問に答える上で重要なポイントは次の4点です。
- 正直に答えること
- 簡潔に答えること
- もともとネガティブな理由をポジティブに変換して答えること
- 答えてから逆質問をしてみる
これを踏まえて、面接でよく聞かれる質問と解答例を見てみましょう。
- 質問: 「これまで経験した薬剤師の業務はどんなものがありますか?」
回答: 「これまでの経験では、処方箋に基づく調剤業務の実施、患者への服薬指導、薬歴管理、そして薬剤の在庫管理といった業務を担当してきました。」 - 質問: 「患者とのコミュニケーションで心がけていることは?」
回答: 「患者さんの疑問や不安をしっかりと受け止め、分かりやすく説明することを心がけています。」 - 質問: 「前職を退職した理由はなんですか?」
回答:「前職では自己研鑽に充てられる時間が少なく、仕事も単調になりがちだったので、スキルアップを求めて転職という流れになりました。」 - 質問: 「ご自分の長所はどういったところですか?」
回答:「患者さまとのコミュニケーションや、スタッフ間の意思疎通です。御社として例えば対人業務など、今後力を入れていく分野があれば何かお聞かせいただけますか?」
これらは実際に僕が意識して実践したことです。
参考になれば嬉しいです。
8. おすすめ文献・リンク
薬剤師としての資格取得や研修情報を提供する公式サイトや書籍を紹介します。
これらの情報をもとに、更なる専門知識の深化やキャリアアップを目指すことができます。
8.1.「研修認定薬剤師」取得のために
地域薬剤師会主催の勉強会などはどうしても時間に縛られるし、それだけだと研修単位が足りなくなりそうで不安・・・
こう思う薬剤師の方は多いのではないでしょうか。
僕もそうです。。
認定薬剤師の新規認定に必要な単位数は、4年間で40単位。
また、更新時に必要な単位数は、3年間で30単位です。(5単位/年 以上が必要)
いかに効率良く認定単位を貯めるか、ですよね。
僕のおすすめは次の3つです。
MPラーニング
◆16,500円/年(新規取得コース):認定薬剤師の新規取得を予定している方
◆8,800円/年(更新コース):現在認定期間中の方
【特徴】e-ラーニング系の相場は20,000円/年くらいですが、MPラーニングは圧倒的に低コストです。ただ、約5分ごとに「次の学習へ」という表示をクリックしなければ先へ進めない仕様になっているので、しっかり見ていないと途中で動画が止まっていることがあるのが難点です。テストの点数に関わらず単位を取得できます。
共創未来 Web Seminar
◆14,850円/年:一律
【特徴】MPラーニングの更新コースよりだいぶ高価ですが、相場よりも安め。
動画は数分間経ったら再生箇所を移動でき、戻ったり進んだりできるので使いやすいです。
テストの点数に関わらず単位を取得できます。
アスヤクLIFE研修
→年会費不要。いろんな研修スケジュールがカレンダーで見れるようになっており、1単位分の研修が500円〜で受けれます。単位があとちょっと足りないな、という時に便利。
以上、参考にしていただけたら幸いです。
8.2.おすすめ書籍
実践的な薬剤師知識を磨きたいならこちら!ベストセラーです。
漢方が苦手な薬剤師さんはこれです!読んだ瞬間から役立ちます。
あなたのおすすめ文献や学習サイトなどあれば教えてください。
今回は薬剤師の履歴書作成ガイドをご紹介しました。
新たな挑戦が成功することを心から願っています。
それでは、また。