薬剤師の転職で失敗した話3つ|原因はどれも、決める前にありました
転職で失敗したくない。
そう思って調べても、出てくるのは「情報収集が大事」「焦らないこと」くらいで、何をどう確かめれば失敗しないのかは書いてありません。
こんにちは。薬局薬剤師のとんぷくです。薬剤師歴19年、転職は4回、管理薬剤師は通算10年やってきました。
僕の失敗は、入ってから起きたことではありませんでした。どれも、決める前にやらなかったことが原因です。
理由は、入ってから分かることのほとんどが、入る前にも確かめられるからです。
店の忙しさも、残業の実態も、辞めた人の多さも、見に行けば分かるし、聞けば答えが返ってきます。
僕は、それをやらずに決めました。
新卒で入った薬局は1年もちませんでした。
親戚の薬局では、家族の関係まで悪くなりました。
辞めたあとの1ヶ月は、無保険でした。
どれも、入る前の自分に一声かけられれば防げたことです。

薬剤師の転職で、僕がやった失敗3つ

新卒の就職と、そのあとの転職4回。
19年のあいだで「これは失敗だった」とはっきり言えるのが、次の3つです。
- 1社しか見ずに決めた(新卒・2007年)
- 条件を決めないまま入った(2回目・親戚の薬局)
- 辞めたあとの手続きを知らなかった(23歳)
共通しているのは、比べなかったことと、聞かなかったことです。
どちらも、お金も資格もいりません。
失敗1|1社だけ見て、現地も見ずに決めた
国家試験が終わった4月に就職活動を始めて、5月から働き始めました。
準備にかけた時間は、ほとんどありません。
2007年当時は薬剤師の求人サイトもまだ少なく、検索で出てきた1社に登録しました。
伝えた希望は3つです。
- 都市部の調剤薬局
- 大きな店舗がいい(経験を積みたかった)
- 住みやすそうな土地
紹介されたのは、都心の総合病院の門前で、処方箋が1日三桁後半、薬剤師が何十人いる薬局でした。
今でもこの枚数は聞いたことがありません。
僕は「じゃあ、ここにします」と答えました。
ほかの求人も、ほかの会社も見ていません。
店舗見学もほとんどできないまま面接を受けて、最寄り駅の様子も周りに何があるかも見ずに帰りました。
内定が出たら、そのまま入社しています。
結果は、1年もちませんでした。
毎日のように叱られ、忙しさに飲まれて、逃げるように辞めています。
よくなかったのは3つです。
- 希望の条件がはっきりしていなかった
- 現地を見なかった
- ほかの会社・ほかの薬局と比べなかった
新卒だから分からなかった、とも言えます。
ただ、比べることだけは、知識がなくてもできました。
2社から話を聞いていれば、1日三桁後半という枚数が普通ではないと気づけたはずです。
面接で何を聞いておけばよかったのかは薬剤師の面接で必ず聞くべき逆質問5つにまとめました。
僕が新卒の面接で「特にありません」と答えてしまった話も入れています。
失敗2|親戚の薬局に、条件を決めないまま入った
首都圏で働いていた25歳のとき、地方の親戚から声がかかりました。
薬剤師が足りなくて困っている、来てくれないか、という話です。
地元の近くで、いずれは帰りたいと思っていた場所でした。
僕は「行きます」と答えました。
結局、夫婦で入ることになります。
エージェントを通していないので、雇用の条件はすべて自分たちで決めなければいけませんでした。
ここで、ほとんど何も言えませんでした。
相手は親戚です。
給料の希望も、休みの希望も、言い出せないまま入っています。
入ってからは、仕事以外のことにも口を出されました。
妻には姑のような接し方をされ、家族の関係にもひびが入っています。
スタッフから見れば、僕は「経営者の甥」です。
同じ現場にいても、少し違う立場の人として扱われました。
よくなかったのは2つです。
- 親戚という関係と、雇う・雇われるという関係が重なったこと
- 条件の交渉を間に入ってくれる人がいなかったこと
断りにくい相手からの誘いほど、条件を先に決めておく必要があります。
「来てほしい」と言われている時点が、いちばん条件を通しやすいタイミングだからです。
そこを過ぎると、もう言えません。
親戚や知り合いの薬局に入ると何が起きるのかは、親戚や知り合いの薬局で働くとどうなるかに分けて書きました。
友人の薬局で働く、友人と一緒に始める、というのも同じです。
やるなら、仕事と私生活を完全に分ける前提で話を進めたほうがいいと思います。
この薬局は、辞めると決めてから3年かけて周りを固めて、円満に出ました。
辞める理由をどこまで正直に話すかで迷った話は辞める理由が言いにくいとき、エージェントにどこまで話すかに書いています。
失敗3|辞めてから1ヶ月、無保険だった
新卒で入った会社を1年足らずで辞めたとき、とにかく一度休みたいと思いました。
次を決めずに辞めて、1ヶ月何もせずに過ごしてから、次の会社に入っています。
その1ヶ月が無保険だったことを、23歳の僕は知りませんでした。
あとから通知が来て、国民健康保険の1ヶ月ぶんを後払いしました。
金額としては大きくありません。
ただ、この期間に病気やけがをしていたら、全額自己負担になるところでした。
退職から入社まで間が空いたので、失業保険の手続きもできたはずです。
これもしていません。
よくなかったのは2つです。
- 勢いで辞めたこと
- 辞めたあとに何が起きるかを調べていなかったこと
保険、年金、失業保険、住民税。
辞めると決めてから調べても間に合うものばかりですが、辞めてからだと間に合わないものがあります。
順番と期限は退職から入社までの手続きにまとめました。
条件が合っていたのに、4年で辞めたこともあります

ここまでの3つは、確かめなかったことが原因です。
では、ちゃんと確かめれば必ずうまくいくのかというと、そうとも限りませんでした。
2018年に親戚の薬局を出たとき、僕はエージェントを使って次を決めています。
担当者と半年かけて探して、面接にも同行してもらいました。
入社時の条件は、希望と合っていました。
それでも4年で辞めています。
理由は、長時間労働です。
何度か改善をお願いしましたが、変わりませんでした。
社長がワンマンで、言うことがそのときどきで変わる会社でした。
人の入れ替わりも多い職場です。
求人票に載っているのは、給料、休日数、勤務時間、店舗の規模。
載っていないのは、誰が決めている会社なのか、決めたことが守られるのかです。
ここは紙では比べられません。
だから、見学と逆質問で埋めるしかないと思っています。
見学で何を見るか、行けないときにどうするかは薬局の職場見学で見るところ3つにまとめました。
- 直近3年で、何人辞めたか
- 残業は何分単位でつくか。先月は実際に何時間だったか
- 改善を頼んだとき、誰が決めるのか
このときの転職の流れはお仕事ラボ(AXIS)の評判・口コミは本当かに、担当者の言葉をどこまで信じるかは転職エージェントの言葉、どこを信じてどこを疑うかに書いています。
失敗しないために、決める前にやること6つ

4回ぶんの反省を、やることの形にすると6つになりました。
- 2社以上に登録して比べる
- 辞める前に動く
- 条件を数字にして、上から3つを線にする
- 職務経歴書を書く
- 面接で聞くことを、先に決めておく
- 職場見学に行く
上から順に、効果が大きいものです。
1|2社以上に登録して比べる
1社だけだと、紹介された求人が良いのか悪いのか判断できません。
比べる相手がいないから、基準ができないからです。
転職にはリスクがありますが、転職活動にはありません。
比べている間は、まだ何も決めていないのと同じです。
僕の新卒の失敗は、これひとつで防げました。
2社から話を聞いていれば、処方箋1日三桁後半が普通ではないと分かったはずです。
登録は無料で、合わなければメール1本で終わります。
退会に手続きがいらないことはファルマスタッフの退会方法で確かめました。
選び方の目安はこうです。
ファルマスタッフは正社員でも使えます。
僕は今の職場に、ファルマスタッフの紹介で入りました。
まずは2〜3社を比べてみる
2|辞める前に動く
辞めてから探すと、時間に追われて条件を下げます。
保険と年金に空白ができるのも、辞めてから探した場合です。
僕が23歳でやったのがこれでした。
目安は、辞めたい時期の3ヶ月前から転職活動を始めることです。
実際に決まるまでどのくらいかかったかは薬剤師の転職活動は何ヶ月かかるのかに、4回ぶんの実数を出しました。
3|条件を数字にして、上から3つを線にする
年収、休日、通勤時間、異動の有無、OTCの量、有給の取りやすさ。
全部は叶いません。
ここでつまずくのは、気持ちのままだと順位がつけられないからです。
「残業が少ない職場」ではなく「残業が月20時間を超えるなら見送る」まで数字にすると、はじめて比べられるようになります。
上から3つを「これが満たされないなら見送る」線として決めておくと、担当者にも伝わります。
不満を条件に変える手順はブラック企業というほどじゃない。でもつらいに書きました。
4|職務経歴書を書く
自己分析というと大げさですが、やることは職務経歴書を書くことです。
書こうとして手が止まる項目が、自分でもまだ言葉にできていないところです。
そこは面接でも必ず止まります。
書き方は薬剤師の職務経歴書にまとめました。
5|面接で聞くことを、先に決めておく
その場で思いついたことしか聞けないと、聞き逃します。
紙に書いて持っていくくらいでちょうどいいです。
- 残業代は何分単位か。先月は実際に何時間だったか
- 公休は定期か不定期か。月に何日あるか
- 有給の取得率は実際どのくらいか
- 新しく入った人の教育はどうしているか
- 直近3年で何人辞めたか
- レセコンと電子薬歴は何を使っているか
聞きにくいことは、エージェントの担当者が代わりに聞いてくれます。
面接官の側から見た答え方は薬剤師の面接でよく聞かれる質問に、質問の選び方は逆質問5つに書いています。
6|職場見学に行く
面接官と現場のスタッフの間には、たいてい温度差があります。
理念を熱く語られても、現場の人がそれを知らないことはよくあります。
見るのは設備ではありません。
- 待合室の患者さんの年齢層
- 調剤室の広さと動線
- スタッフどうしの話し方
この3つは、行けば5分で分かります。
見学を断る職場は、それ自体が答えです。
どの型の薬局かで見るところも変わるので、門前・面・在宅特化・敷地内もあわせてどうぞ。
まとめ

薬剤師の転職の失敗について、押さえておくことは次の5点です。
- 僕の失敗3つは、どれも決める前にやらなかったことが原因だった
- 1社しか見ないと、良いか悪いかの基準ができない。2社以上で比べる
- 断りにくい相手ほど、条件を先に決める。誘われている時点がいちばん通る
- 辞めてから探さない。条件を下げることになり、保険と年金にも空白ができる
- 条件が合っていても失敗することはある。誰が決める会社かは、見学と逆質問で確かめる
失敗したから言えることばかりです。
19年で4回動いて、いま年収は650万、今の職場には不満がありません。
やり直しはできます。
ただ、同じ失敗を2回する必要はないと思っています。
どの会社を使うかは【2026年最新】薬剤師転職エージェントおすすめ5選に、4回ぶんの年収と辞めた理由は薬剤師が4回転職した全記録にまとめました。
同じ失敗をしないために、まず比べる
それでは、また。

