入る前に、やばい薬局かどうかを知りたい。
そういう名簿があればいいのに、と思います。

こんにちは。薬局薬剤師のとんぷくです。薬剤師歴19年、転職は4回、管理薬剤師は通算10年やってきました。

調剤薬局のブラックリストは、ありません。ただし、国が公表している名簿なら実在します。

理由は、薬局の労働条件を一元的に管理している機関がないからです。
業界団体も、そういう名簿は作っていません。

そのかわり、法令違反で送検された会社の一覧は、厚生労働省が公表しています。
薬局だけの名簿ではありませんが、入っていれば分かります。

調べる手はあります。

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この記事を書いた人

名前:とんぷく
職業:薬局薬剤師(管理薬剤師)
経歴:薬剤師歴19年・転職4回
備考:一包化が好き。パートナーも薬剤師

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国が出している名簿は、実在します

虫眼鏡で調べている女性のイラスト

「労働基準関係法令違反に係る公表事案」といいます。
厚生労働省の労働基準局監督課がまとめているものです。

載っているのは、この2つです。

  • 労働基準関係法令違反の疑いで送検された事案
  • 労働局長が企業の経営トップを指導した事案

各都道府県の労働局が公表したものを、国が1つのファイルに集約しています。
企業名・事業場名・所在地・公表日・違反した法条・事案の概要まで書かれています。

掲載期間は、公表日からおおむね1年間です。

使うときの注意

これを「ブラックリスト」と呼ぶのは、少し違います。

  • 載っているのは送検か、局長指導まで行った事案だけ
  • 1年で消える
  • 業種を問わない全国版なので、薬局はごく一部

つまり、載っていない=安全ではありません。
載っていたら、確実に避ける材料になるというだけです。

名前を調べるなら、各都道府県の労働局のサイトにも同じものが出ています。

口コミサイトは、母数が足りません

はてなマークが乗った天秤

転職の口コミサイトもありますが、調剤薬局はほとんど出てきません。

  • 1店舗あたりの従業員が少ない
  • 会社単位でしか載らず、店舗ごとの事情が消える
  • 書き込むのは、たいてい辞めた人

辞めた人の話だけで判断すると、偏ります。

僕は口コミを読む側も、読まれる側もやってきました。
書いてある内容が嘘だとは思いません。
ただ、その人の店で起きたことであって、会社全体の話ではないことがよくあります。

口コミの読み方はファルマスタッフの評判・口コミは本当かでも書きました。

求人票から読めるもの

書類を読んで驚いている女性のイラスト

名簿がなくても、求人票でかなり分かります。

1|ずっと募集が出ている

同じ店の求人を半年見かけたら、人が定着していません。
エージェントの担当者に「この店、前はいつ募集していましたか」と聞けば答えてくれます。

2|相場より明らかに高い

地方で人が来ないから高い、という場合もあります。
ただ、休みにくさや一人薬剤師への対価であることも多いです。

一人薬剤師の求人が高い理由は一人薬剤師はきついのかに書きました。

3|「アットホーム」「風通しがいい」しか書いていない

数字が1つも書かれていない求人票は、書けない理由があることがあります。

処方箋の枚数、薬剤師の人数、残業時間。
出せる店は出します。

担当者に聞けば、名簿より確かです

打ち合わせをしている3人のイラスト

いちばん効くのはこれでした。

エージェントの担当者は、その地域の薬局に出入りしています。
名簿に載らない話を持っています。

僕が今の職場を紹介されたとき、担当者は希望エリアの出身でした。
地元の中小薬局について踏み込んで聞いたら、こちらが知らない情報まで出てきました。

聞くのはこの3つで足ります。

  • 直近3年で、何人辞めましたか
  • 前任者はなぜ辞めたのですか
  • 残業は先月、実際に何時間でしたか

答えにくそうにされたら、それ自体が答えです。

聞き方は薬剤師の面接で必ず聞くべき逆質問5つにまとめました。

最後は、自分の目で見ます

調剤薬局の外観のイラスト

名簿にも求人票にも出ないものがあります。
店の空気です。

見るのは設備ではありません。
待合室の患者さんの年齢層、調剤室の動線、スタッフどうしの話し方。
この3つは、行けば5分で分かります。

見学ができなければ、客として入る手もあります。
僕はいまの職場を、OTCを買いに行って決めました。

その話は薬局の職場見学で見るところ3つに書いています。

転職はリスクを伴いますが、「あの店は去年何人辞めたのか」を調べてもらうことはノーリスクです。
自分で聞くと角が立ちますが、担当者なら普通に確かめてくれます。

気になる店が危ないか知りたい

まとめ

ゴールの旗を指し示す男性のイラスト

調剤薬局のブラックリストについて、押さえておくことは次の5点です。

  • 薬局のブラックリストは存在しない
  • ただし厚労省の「労働基準関係法令違反に係る公表事案」は実在する(送検・局長指導のみ、掲載は約1年)
  • 載っていない=安全ではない。載っていたら避ける材料になるだけ
  • 口コミサイトは母数が足りず、辞めた人に偏る
  • いちばん確かなのは担当者に聞くことと、自分で見に行くこと

名簿を探すより、3つ質問するほうが早いです。
直近3年で何人辞めたか。前任者はなぜ辞めたか。先月の残業は何時間か。

いまの職場がどうかの判断はブラック薬局の特徴6つにまとめました。

まずは2〜3社を比べてみる

出典:厚生労働省労働基準局監督課「労働基準関係法令違反に係る公表事案」

それでは、また。