面接で何を話せばいいか分からない、という相談をよく受けます。

こんにちは。薬局薬剤師のとんぷくです。薬剤師歴19年、転職は4回、管理薬剤師は通算10年やってきました。受ける側で4回座って、面接する側でも座ってきました。

面接官が見ているのは、「一緒に働けるか」と「すぐ辞めないか」の2つだけです。

理由は、薬局の採用が慢性的に人手不足のなかで行われているからです。
優秀な人を選び抜く場ではなく、入ってすぐ回してくれて、来年もいてくれる人を探す場になっています。

だから質問の中身も、そこに向かって作られています。

この構造が分かると、質問の答え方はかなり単純になります。

面接官が見ている2つのこと

腕を組んで並ぶ面接官のイラスト

採用する側に回って、いちばん驚いたのはここでした。
能力の高さは、思っているほど見られていません。

薬剤師の実務は、店ごとのやり方に慣れるまでが勝負です。
調剤の腕そのものに大きな差はつきません。

だから面接官の関心は、自然と別のところに向きます。

  • 一緒に働けるか … 狭い空間で、数人で一日中過ごします。相性が全部です
  • すぐ辞めないか … 採用にかかる手間と紹介手数料は、1年で辞められると丸ごと損になります

僕が採用に関わったとき、面接後に交わされていた会話は「この人、うちのペースでやれるかな」「前の店を辞めた理由、本当のところは何だろう」でした。

スキルの話はほとんど出ませんでした。

つまり、聞かれている質問はすべて、この2つを確かめるための道具です。

よく聞かれる5つの質問と、その裏側

Q&Aと書かれたホワイトボードと薬剤師のイラスト

実際に僕が聞かれた質問と、面接する側に回って分かったその意図を並べます。

質問 本当に確かめていること
転職理由を教えてください 同じ理由で、またうちも辞めないか
なぜ当社を選びましたか 志望度ではなく、条件が噛み合っているか
前職ではどんな業務を 何を任せられて、何を教える必要があるか
転職回数が多いようですが 説明できる人かどうか
何か質問はありますか 判断材料を集めようとしているか

「転職理由を教えてください」

いちばん重く見られる質問です。

ここで前の職場の不満を並べると、面接官の頭には「うちでも同じことを言うだろう」が浮かびます。
悪口を言うなという話ではなく、辞めた理由が、うちでは起きないと分かる形で話す必要があるということです。

僕が使っていたのは、事実 → そこから決めた条件、という順番です。

前の店は在宅が中心で、外来の患者さんと話す時間がほとんど取れませんでした。それで、外来にしっかり時間をかけられる店で働きたいと考えるようになりました。

これなら、その薬局が外来中心なら「うちでは起きない」と伝わります。

「なぜ当社を選びましたか」

志望動機を格好よく答える必要はありません。
面接官が知りたいのは、条件が合っているかどうかです。

通勤時間、勤務日数、扱っている科目。
この3つのどれかに触れて、「だからここが合っている」と言えれば十分です。

その薬局がどういう型なのかを先に知っておくと、この質問に答えやすくなります。
門前・面・在宅特化・敷地内に違いをまとめました。

理念に共感した、という話は、正直あまり伝わりません。

「前職ではどんな業務を」

ここは具体的に答えたほうが得です。
面接官はこの答えで、入ったあと何を教えなければいけないかを計算しています。

在宅の件数、無菌調剤の経験、麻薬の管理、使っていたレセコンの名前、1日の処方箋枚数。
数字と固有名詞を出すと、相手は一気に判断しやすくなります。

逆に「一通りやっていました」で終わると、確認のための質問が増えます。

「転職回数が多いようですが」

これは僕も4回目で聞かれました。
回数そのもので落とされることは、調剤薬局ではほとんどありません。

詳しくは転職回数が多い薬剤師は不利なのかに、実際のやり取りごと書きました。

「何か質問はありますか」

ここは長くなるので、面接で必ず聞くべき逆質問に分けて書きました。

評価される場ではなく、こちらが判断する場です。

面接する側が「無理だ」と思うとき

書類を見て困った顔をしている男性のイラスト

落とす理由は、実はそんなに多くありません。
僕が見てきた範囲では3つです。

  • 前の職場の話が、全部人のせいになっている。一緒に働くと、次はこちらが悪者になると想像がつきます
  • 業務の解像度が低い。「だいたいやっていました」で数字が出てこないと、任せる範囲が読めません
  • 条件の話を最後までしない。入ってから「話が違う」となるのが、採用側にとっていちばん困ります

3つ目は意外に思われるかもしれません。
条件を確認してくる人のほうが、歓迎されます。あとで揉めないからです。

給料や休みの話をすると印象が悪くなる、と思っている人が多いのですが、聞き方の問題であって、聞くこと自体は問題になりません。

30秒で答える型

白衣の薬剤師が説明しているイラスト

答えが長くなる人は、たいてい説明の順番が逆になっています。
結論から言って、理由を足して、これからどうしたいかで締める。

この順番なら30秒に収まります。

  1. 事実(何があったか)… 在宅中心の店で、外来の時間が取れませんでした
  2. 理由(だからどう考えたか)… 患者さんと話す時間を持てる働き方をしたいと思いました
  3. これから(御社でどうしたいか)… 外来中心の店で、もう一度そこをやりたいと考えています

面接官は一日に何人も面接します。
長い話は、途中から聞かれていません。

短く言い切って、相手が興味を持ったら掘ってもらう。
そのほうが会話になります。

なお、この型で話す材料は、職務経歴書を書く段階でほとんど作れます。
薬剤師の職務経歴書に書き方をまとめました。

書いたことがそのまま聞かれるので、面接の準備は職務経歴書を書くところから始まっています。

まずは2〜3社を比べてみる

まとめ

ゴールの旗を指し示す男性のイラスト

面接で押さえておくことは、次の4点です。

  • 面接官が見ているのは「一緒に働けるか」と「すぐ辞めないか」の2つだけ
  • 転職理由は、うちでは起きないと分かる形で話す。悪口かどうかではなく、再発するかどうかを見られています
  • 前職の業務は数字と固有名詞で答える。相手が任せる範囲を計算しやすくなります
  • 条件の確認は歓迎される。あとで揉めないからです

面接は、審査される場だと思うとしんどくなります。
でも実際に両側に座ってみると、お互いに「この先、一緒にやれるか」を確かめている場でした。

それが分かってから、僕は面接がだいぶ楽になりました。

答えを準備する前に、そもそも自分がどの条件なら動けるのかを整理しておくと話が早いです。
相場と求人の中身は自分では調べられないので、そこは人に聞いたほうが早い。

どこを使うかは【2026年最新】薬剤師転職エージェントおすすめ5選にまとめています。

それでは、また。