転職した。でも、前のほうがよかった気がする。

こんにちは。薬局薬剤師のとんぷくです。薬剤師歴19年、転職は4回。そのうち1回は、はっきり失敗だったと思っています。

「前のほうがよかった」という理由だけで動くと、たいてい3回目も同じことになります。

理由は、比べている相手が現実の前職ではなく、記憶のなかで美化された前職だからです。辞めた理由があったから辞めたはずなのに、それは薄れて、良かった部分だけが残ります。

とはいえ「我慢しろ」という話をしたいわけではありません。動くべきときも確実にあります。

迷ったらここから

僕の2回目は、条件だけ見て失敗しました

具体的な話から始めます。

地方の親戚から「薬剤師が足りないから来てくれないか」と声がかかりました。地元に近いし、いずれ帰りたいと思っていた。年収も上がりました。500万円です。そのあと管理薬剤師になって580万円になりました。

数字だけ見れば、この転職は成功です。

でも失敗でした。

仕事の関係に親戚の関係が混ざって、プライベートにも踏み込まれ、妻に対しても姑のような振る舞いをされる。家族関係にまでヒビが入りました。

なぜ失敗したのか

僕が見ていたのは条件だけでした。年収、勤務地、通勤時間。全部わかりやすい数字です。

でも、毎日つらくなるのは数字にならない部分でした。誰と働くか。困ったときに逃げ道があるか。

この転職には「合わなかったときにどう抜けるか」がありませんでした。会社なら辞められますが、親戚は辞められない。

「後悔」を3つに分けてください

後悔したときの判断は、その中身によって変わります。

戻りたい後悔 前の職場が具体的に良かった。人、業務、通勤。いちばん危ない後悔です。
選び方の後悔 確認すべきことを確認しなかった。次に活かせる後悔です。
構造の後悔 努力ではどうにもならない条件がある。動いたほうがいい後悔です。

「戻りたい後悔」がいちばん危ない

前の職場と比べているうちは、動かないほうがいいです。

理由は単純で、辞めた理由があったから辞めたからです。それが薄れて良い部分だけが残っているなら、比較の土台が公平ではありません。

やってみてほしいのは、辞めたときに書いた退職理由を読み返すことです。書いていないなら、思い出して紙に書いてください。

そのうえで「それでも前がよかった」と言えるなら、話は変わってきます。

「選び方の後悔」は、次の条件になる

「残業を確認しなかった」「管理薬剤師がどんな人か聞かなかった」。

これは失敗ですが、次に持ち越せる失敗です。すぐ動く必要はありません。次の転職のときのチェックリストが1行増えた、と考えてください。

僕の2回目がまさにこれでした。おかげでその後の転職では、条件よりも先に「誰と働くか」を確認するようになりました。

「構造の後悔」は、動いたほうがいい

これだけは、時間では解決しません。

  • 経営が傾いていて、給与の遅配が始まっている
  • 法令上まずいことが常態化している
  • 心身に実害が出ている

このどれかに当てはまるなら、我慢は美徳ではありません。特に3つ目は、取り返しがつかなくなる前に動いてください。

僕の2回目も、最終的にはここに入りました。家族関係にまで影響が出た時点で、努力の問題ではなくなっていました。

もう一度動くと決めたときの注意点

動くと決めたなら、次で同じことを繰り返さないための注意点が3つあります。

短期間で動くと、次の説明が難しくなる

これは事実です。1年未満が2回続くと、面接で必ず突っ込まれます。

ただし答えられれば通ります。僕が4回目の面接で聞かれたときは、こう答えました。

最初は規模で選んで自分に合わず、次は逆に小さい薬局で働き方が合うとわかりました。その後は地元に近い職場に移りましたが、今度は人との距離が近すぎた。規模も距離も、自分に合う範囲がだいぶ具体的にわかってきたところです。

「毎回ちがう理由で、毎回ちがう学びがあった」と説明できれば、それ以上は聞かれませんでした。

在職中に動く

これは強く言いたいところです。辞めてから探さないでください。

無職の期間があると、焦って条件を下げます。そして焦って決めた転職は、また同じことになります。

僕は新卒の職場を辞めたとき、次を決めずに辞めて1ヶ月ブラブラしました。保険の空白まで作りました。あれは完全に失敗でした。

次は「合わなかったときに抜けられるか」を見る

2回目の失敗から得た、いちばん大きな学びです。

動くと決めたあとで気持ちが持たなくなったときは、転職活動に疲れたら、一度止めていいも読んでみてください。

紹介やコネの転職は、条件が良くても抜け道がありません。エージェント経由なら担当者に相談できますが、親戚には相談できない。

入る前に、出るときのことを考えておく。冷たいようですが、これがあるとないとでは全然違います。

まずは2〜3社を比べてみる

それでも、動かない選択もある

4回動いた僕が言うのもなんですが、動かないという結論も立派な結論です。

転職は問題を解決する手段のひとつであって、全部ではありません。転職しなくても解決することは、けっこうあります。

大事なのは、選択肢を知ったうえで残ることと、知らないまま我慢することは違うということです。前者は選択で、後者は諦めです。

情報を集めるだけなら、いま動く必要はありません。相場と求人の中身を知ったうえで「やっぱり今の職場でいい」と決められるなら、それがいちばん強い状態だと思います。

相場と求人の中身は、自分では調べられません。登録して話を聞くところまでで止めても構わないので、そこだけは人に聞いたほうが早いです。→ 【2026年最新】薬剤師転職エージェントおすすめ5選

僕も4回のうち、途中でやめた転職活動が何度かあります。それも含めて、無駄ではありませんでした。

それでは、また。