40代になってから、転職の話が急にしにくくなります。

こんにちは。薬局薬剤師のとんぷくです。薬剤師歴19年、転職は4回、管理薬剤師は通算10年やってきました。
僕自身が40代の薬剤師です。

40代の転職で壁になるのは、年齢ではなく今の年収です。

理由は、薬剤師の求人は年齢で閉じないが、給与の上限では閉じるからです。
40代で求人が無くなることはありません。
ただ、いま600万円もらっている人に600万円以上を出せる薬局は、急に少なくなります。

僕は直近の転職で、複数の会社から「こんなに出せないよ」と言われました。
このとき初めて、動きにくさというものを実感しました。

「40代は厳しい」が指しているもの

はてなマークが乗った天秤

「40代の転職は厳しい」と言われるとき、中身が3つ混ざっています。
分けて考えたほうがいいです。

言われていること 実際のところ
求人がない ある。薬剤師不足は続いていて、年齢で門前払いする薬局は多くない
年収が上がらない ここが本体。すでに高い人ほど上げ幅が小さくなる
選ばれにくい 見られる項目が20代と違うだけ。評価軸が変わる

求人の数の話と、給与の上限の話と、選ばれ方の話は別です。
ひとまとめに「厳しい」と言われると、動く前から諦めてしまいます。

僕が実際にぶつかったのは、真ん中だけでした。

年収が上がったあとの転職には天井がある

給料袋と給与明細のイラスト

僕の年収は、初任給420万円から今の650万円まで動きました。
19年で230万円です。

正直に書くと、年収400万円台のときの50万円と、580万円のときの50万円は、まったく難しさが違いました。

前者は普通に通ります。
後者は、地方の調剤薬局だと出せる会社がほとんどありませんでした。

管理薬剤師として580万円をもらっている状態で動こうとしたとき、複数の会社に断られました。
悪い条件を出されたのではなく、そもそも土俵に上がれなかったという感覚です。

ここから言えることが1つあります。
動くなら早いほうがいい。年収が上がってから動こうとすると、選択肢のほうが先に減ります。

年収がどう動くかは転職で年収は本当に上がるのかに、統計と実額を並べて書きました。

動くなら早いほうがいい、と思ったら

採用する側に回って、40代をどう見ていたか

白衣の薬剤師が説明しているイラスト

管理薬剤師として、面接する側にも座ってきました。
40代の応募者を前にしたとき、僕が気にしていたのは能力ではありません。

「今のやり方を、いったん受け入れられる人かどうか」でした。

40代の方はたいてい経験が豊富です。
だから採用側が心配するのは、力不足ではなく摩擦のほうです。

  • 年下の管理薬剤師の下に入れるか
  • 「前の職場では」を持ち出さないか
  • 決まっているやり方を、まず一度やってみてくれるか

意地悪で見ているのではありません。
入って3ヶ月で店の空気が変わると、いちばん困るのは残るスタッフだからです。

年下の上司との関係については、逆の立場から年上の部下が言うことを聞かないにも書きました。

通る40代と、通らない40代

分かれ道の前に立つ人のイラスト

同じ経歴でも、面接での見え方はまったく変わります。
実際に僕が見てきた違いです。

通りにくい人 通る人
前職の話が長い 何ができるかを1分で言える
条件の話から入る 店の事情を先に聞く
役職を求める 役割は問わないと言える
「教えます」と言う 「まず教わります」と言う

右の列は、能力を隠しているわけではありません。
順番を変えているだけです。

経験は、入ってから勝手に伝わります。
面接で先に出すべきなのは、一緒に働けるかどうかの材料のほうです。

僕が面接する側で「お、いいな」と思ったのは、「この店でいま困っていることは何ですか」と聞いてきた40代の方でした。
自分の話ではなく、店の話から入られると、こちらの構えが解けます。

面接で何を聞くかは面接で必ず聞くべき逆質問5つにまとめました。

40代が持っていて、20代が持っていないもの

吹き出しの中で考えている人のイラスト

不利な話ばかり書いてきたので、逆も書きます。

40代には、求人票では測れない持ち物があります。

  • 修羅場を通った回数。急な欠員、監査、クレーム、在庫の事故
  • 辞めない見込み。採用側にとって、これは大きな安心材料です
  • 人を回した経験。シフト、教育、面談。20代にはまだありません
  • 合わない職場を知っていること。次で同じ失敗をしない材料になります

とくに2つ目は、思っているより大きく評価されます。
採用でいちばん高くつくのは、採った人がすぐ辞めることだからです。

僕が面接する側にいたとき、40代の応募者に対して「長く居てくれそうか」を最初に考えていました。
ここに説明がつく人は、年齢がむしろ有利に働きます。

転職回数が多い場合にどう見られるかは転職回数が多い薬剤師は不利なのかに書きました。

40代で動くなら、決めておくこと3つ

カレンダーのイラスト

僕が実際にやってよかったこと、やらずに失敗したことです。

  • 在職中に動く。辞めてからだと、焦って条件を下げます
  • 譲れない条件を1つに絞る。40代で全部通そうとすると、候補が消えます
  • 今の年収を先に伝える。出せない会社に時間を使わずに済みます

3つ目は、遠慮して黙っていると後半で必ず問題になります。
先に言えば、出せない会社は最初から出てきません。

そして年収交渉は、自分でやらないほうが通りやすいです。
理由は薬剤師の年収交渉はいつ・誰が・どう言うのかに書きました。

役職をこの先どうするかで迷っているなら管理薬剤師の次は何があるのかを、
定年まで見据えて選びたいなら60歳まで薬剤師を続けるとしたらを読んでみてください。

条件で薬局を絞りたいときは【2026年最新】薬剤師転職エージェントおすすめ5選にまとめています。

まずは2〜3社を比べてみる

まとめ

ゴールの旗を指し示す男性のイラスト

40代の転職について、押さえておくことは次の5点です。

  • 厳しいのは年齢ではなくいまの年収。求人が消えるわけではありません
  • 400万円台の50万円と、580万円の50万円は難しさが違う。動くなら早いほうが選べます
  • 採用側が見ているのは能力ではなく摩擦。年下の上司の下に入れるかを気にしています
  • 通る人は自分の話より先に、店の事情を聞く
  • 修羅場の経験と、辞めない見込み。この2つは20代が持っていない持ち物です

40代で動きにくいと感じるのは、能力が落ちたからではありません。
積み上げたものが、そのまま条件のハードルになっているだけです。

裏を返せば、いまの年収は誰かがちゃんと払ってきた金額です。
そこは自信を持っていいところだと思っています。

それでは、また。