管理薬剤師になったあと、次に何があるのかを教えてくれる人はいません。

こんにちは。薬局薬剤師のとんぷくです。薬剤師歴19年、転職は4回、管理薬剤師は通算10年やってきました。

管理薬剤師の次は「上がる」だけではありません。横に動く道と、降りる道があります。

理由は、薬局のキャリアが一本道に見えるのは、会社が用意した道しか見ていないからです。
エリアマネージャーか、そのまま定年か。
そう思っている人が多いのですが、実際にはもう少し枝分かれしています。

先に書いておくと、僕はまだこの先を選んでいません。
いま、この分かれ道の前にいる人間として書きます。

管理薬剤師の次が見えにくいのはなぜか

はてなマークが乗った天秤

理由ははっきりしています。
薬局には、管理薬剤師の上のポストがほとんど無いからです。

1店舗に管理薬剤師は1人です。
店の中でこれ以上の役職はありません。

つまり次に進むには、店の外に出るしかないという構造になっています。

  • 会社の中で店の外に出る(エリアマネージャー、本部)
  • 現場に残ったまま、役割を変える
  • 役職を降りる
  • 会社の外に出る

中小の薬局だと、そもそも1つ目が存在しません。
店が数店舗しかなければ、エリアマネージャーというポスト自体が無い。
ここで行き止まりに見えてしまいます。

会社の規模でどう変わるかは大手チェーンと中小薬局は実際どう違うかに書きました。

道1・2|会社の中で店の外に出る

腕を組んで並ぶ人たちのイラスト

いちばん想像しやすい道です。

エリアマネージャー(スーパーバイザー)は、複数店舗を見る役割です。
売上、人員配置、加算の取得状況、店舗間の応援。
調剤に入る時間はほぼ無くなります。

本部はもう少し分かれます。

部署 やること 管理薬剤師の経験が使えるところ
教育・研修 新人研修、勉強会の設計 実際に人を育てた経験
品質管理 手順書、監査対応、事故報告 保健所と行政対応の経験
医薬品管理 在庫、価格交渉、卸との折衝 発注と不動在庫の実感
店舗開発 出店、譲受、面談 現場が回るかどうかの判断

どれも「現場を知っている人」でないと務まりません。
だから管理薬剤師の経験は、そのまま条件になります。

ただし、はっきり書いておきます。
この道は薬剤師の仕事ではなくなります。
数字と人の話が仕事の中身になります。

道3|現場に残ったまま、役割を変える

白衣を着た薬剤師2人が話しているイラスト

意外と語られない道です。
管理薬剤師のまま、扱うものを変えます。

  • 在宅に軸足を移す。施設在宅・個人宅の担当になる
  • 無菌調製や、扱いの難しい薬に寄せる
  • 規模の違う店に移る。小さい店の管理薬剤師と、大きい店の管理薬剤師は仕事の中身が別物です

3つ目は、転職しなくても社内の異動でできることがあります。

同じ役職名でも、店が変われば仕事は変わります。
薬剤師2人の店の管理薬剤師はプレイヤー兼任で、10人の店だとマネジメントの比重が上がります。
この違いは薬剤師2人の店と、10人の店に書きました。

僕は人数が増えるほど、薬剤師以外の仕事が増えることがしんどかったタイプでした。
だからこの道は、上がるより自分に合っているかもしれないと思っています。

道4|あえて役職を降りる

パソコンの前で突っ伏している人のイラスト

ここを選択肢に入れていない人が多いので、書いておきます。

管理薬剤師を降りるのは、後退ではありません。

手当は月5万円でした。
その5万円で引き受けているのは、法令上の責任と、店舗の管理と、そこに書かれていない人間関係の調整です。

手当の名目に、人間関係の調整は入っていません。
でも実際には、時間の何割かをそこに使います。

降りることで戻ってくるものがあります。

  • 保健所と行政対応が無くなる
  • シフト作成と面談が無くなる
  • 責任者としての電話が鳴らなくなる
  • 調剤に集中できる

失うのは手当5万円と、次に管理薬剤師に戻るときの説明のしにくさです。
この2つと、上の4つを天秤にかける話だと思っています。

管理薬剤師の仕事の実際は管理薬剤師を通算10年やって、面接する側にも回ってわかったことに書きました。

道5|会社の外に出る

僕は企業にも独立にも進んでいません。
なので、ここは公開情報と、僕が面接や取引で会ってきた人たちから聞いた範囲で書きます。

企業(製薬メーカー、CRO、卸、DI)
調剤薬局からの転職は不可能ではありませんが、40代からだと未経験採用の枠が狭くなります。
求人自体が調剤より圧倒的に少ないです。

独立・開業
薬局の新規開設は、処方箋をどこから受けるかで成否がほぼ決まります。
資金と、物件と、医療機関との関係。
薬剤師としての腕とは別の能力が要ります。

行政・公務員
保健所や自治体の薬事担当。年齢制限があることが多いです。

正直に言うと、この道は「調べればわかる」ものではありません。
実際にその道にいる人に話を聞くのが早いです。
公開情報だけで判断すると、良いところしか見えません。

選ぶ前に、自分に聞いた3つの質問

頭を抱えている男性と下向きのグラフのイラスト

道が5つあると言われても、決められません。
僕が自分に使っている質問です。

1. 調剤をやめてもいいのか

エリアマネージャーと本部は、薬剤師の仕事から離れます。
それが解放なのか、喪失なのか。
ここで答えが割れます。

年収という一点だけで見たとき、この先がどこまで伸びるのかは薬剤師で年収1000万は可能かにまとめました。

2. 数字で評価されることに耐えられるか

現場は、正しく仕事をすれば正しく回ります。
マネジメント側は、自分が正しくても数字が出ないことがあります。

3. あと何年やるつもりか

これがいちばん大きいです。
残り5年なら現場に残る判断が合理的ですし、残り18年なら別の答えになります。

僕は40代なので、60歳まで働くとしてあと18年あります。
この長さをどう見るかは60歳まで薬剤師を続けるとしたらに書きました。

まとめ

上向きの矢印を駆け上がる人のイラスト

管理薬剤師の次について、押さえておくことは次の5点です。

  • 店の中に、管理薬剤師の上のポストは無い。次に進むには店の外に出ることになります
  • 会社の中で上がる道はエリアマネージャーと本部。ただし薬剤師の仕事ではなくなります
  • 現場に残ったまま役割を変える道がある。同じ役職名でも店が変われば中身は別物です
  • 降りるのは後退ではない。手当5万円と、責任者としての電話が鳴らない生活の天秤です
  • 会社の外(企業・独立・行政)は公開情報だけで判断しないほうがいい

管理薬剤師を10年やって思うのは、この役職は通過点にも終着点にもなるということです。
どちらにするかは、会社ではなく自分が決めていい部分だと思っています。

社内に道が無いと感じたときは、外を見ておくだけでも判断材料が増えます。
【2026年最新】薬剤師転職エージェントおすすめ5選に、僕が使った会社と使っていない会社を分けてまとめました。

社内に道が無いと感じたら

それでは、また。