薬剤師は人手不足なのか|地方では、募集しても来ません
薬剤師は余ると言われたり、足りないと言われたりします。
どちらも本当でした。場所によって違うだけです。
こんにちは。薬局薬剤師のとんぷくです。薬剤師歴19年、転職は4回、管理薬剤師は通算10年やってきました。
国の推計では、薬剤師が余り始めるのは2045年ごろです。いまは足りていません。そして足りない場所は、はっきり偏っています。
理由は、薬剤師が都市部に集まるからです。
全国の数を足せば増えていますが、来ない場所には来ません。
僕は地方の薬局にいます。
募集を出しても来ない、という話はいまも普通にあります。

数の上では、増えています

厚生労働省の統計(2024年12月31日現在)です。
| 人数 | 前回比 | |
|---|---|---|
| 全国の薬剤師 | 329,045人 | +5,355人(1.7%増) |
| うち薬局の従事者 | 197,437人 | +6,702人(3.5%増) |
| うち医療施設の従事者 | 63,290人 | +827人(1.3%増) |
| 医薬品関係企業の従事者 | 34,184人 | △2,902人 |
薬局で働く薬剤師は、2年で6,702人増えています。
減ってはいません。
それなのに現場では足りない。
この食い違いが、人手不足の正体です。
足りないのは、場所と時間帯です

増えたぶんが、足りないところに行っていません。
1|都市部に集まる
薬剤師が多い場所には、さらに集まります。
住みやすく、求人も多く、選べるからです。
僕は新卒で都市部にいました。
処方箋が1日三桁後半の門前で、薬剤師が何十人もいる店でした。
あの規模の店が成り立つのは、人が来るからです。
地方に移ったとき、年収は420万円から500万円に上がりました。
人が来ないので、出せる範囲で上げるしかないからです。
その実額は地方の薬剤師は高給なのかに書きました。
2|特定の職場に人が来ない
同じ統計に、勤め先ごとの平均年齢が出ています。
- 病院 42.5歳
- 薬局 46.8歳
- 診療所 58.4歳
- 介護保険施設 59.7歳
診療所と介護保険施設は、60〜69歳がいちばん多いと書かれています。
若い人が入っていない、ということです。
この2つは、数の上でも人手が足りていません。
年齢と働き方の関係は薬剤師は何歳まで働けるかにまとめました。
3|常勤の数を増やさない会社がある
これは現場で見てきた話です。
人が足りないと分かっていても、会社が人員を増やさないことがあります。
いまいる人が頑張れば回ってしまうからです。
僕は1年ぶんの来局データを出して、花粉症の時期に増員を頼みました。
動きませんでした。
このときの話はブラック薬局の特徴6つに書いています。
2045年には、逆になります

厚生労働省の需給推計では、こうなっています。
| 2020年 | 2045年 | |
|---|---|---|
| 需要 | 32.0万人 | 33.2万〜40.8万人 |
| 供給 | 32.5万人 | 43.2万〜45.8万人 |
人の数が、需要を追い越します。
ただし、これは25年先の話です。
そして同じ資料に、余り方は地域によって違うと書かれています。
全国で余っても、来ない場所には来ません。
推計の中身は薬剤師はオワコンなのかにまとめました。
人手不足の店で働くと、何が起きるか

足りない側の店にいると、こうなります。
- 残業が常態化する
- 有給が取りにくい(代わりがいない)
- 教育に手が回らない
- 一人薬剤師になる
どれも、自分の努力では変えられません。
一人薬剤師の実際は一人薬剤師はきついのかに書きました。
人がいる会社ならヘルプを出せるので、会社の店舗数で結果が変わります。
転職する側から見ると、どうなのか

いまは、転職する側に有利な時期です。
- 面接に来た時点で、ほぼ決まる
- 条件の交渉が通りやすい
- 地方なら、額面が上がることがある
僕が4回とも内定をもらえたのも、この構造の中にいたからだと思っています。
その話は薬剤師の採用は事務とまるで違うに書きました。
ただし、この条件が25年続くわけではありません。
転職するなら早いほうがいいというのは、年齢の話だけではありません。
売り手の側にいられる時期にも、終わりがあります。
転職はリスクを伴いますが、「あなたには今いくらの給料が出るのか」相場を知ることはノーリスクです。
自分の給料の相場が知りたい
まとめ

薬剤師の人手不足について、押さえておくことは次の5点です。
- 数は増えている。薬局の従事者は2年で6,702人増(3.5%増)
- 足りないのは場所。都市部に集まり、地方には来ない
- 診療所と介護保険施設は60代が最多。若い人が入っていない
- 2045年には供給が需要を追い越す。ただし偏りは残る
- いまは転職に有利な時期。ただし終わりがある
「薬剤師は余る」も「薬剤師は足りない」も、どちらも正しい話でした。
自分がどちら側の場所にいるかだけが、違います。
どの会社を使うかは【2026年最新】薬剤師転職エージェントおすすめ5選にまとめています。
まずは2〜3社を比べてみる
出典:厚生労働省「令和6(2024)年 医師・歯科医師・薬剤師統計」、厚生労働省「薬剤師の需給推計(案)」
それでは、また。

